2002年5月22日(水)21:43

欧州委員会による機構改革提案

ブリュッセル(ロイター)

欧州委員会はEU将来像会議に対して、各国政府の権限を削る代わりに欧州委員会および欧州議会に一層の権限と重要性を与える新たな決定手続きを提案した。欧州委員会の重要な提案は次のとおり。

経済・通貨政策

経済のガイドラインと収斂プログラムに関する欧州委員会の提案は、これまでのような純然たる勧告にとどまらず、受諾後は拘束力を持つ。さらに、欧州委員会がEUの経済原則の違反に対する早期警告を発する場合、同委員会はこれまでのような加盟国の同意を必要としない。加盟国がEUの経済原則から逸脱できるのは、全会一致で承認を受けた場合に限られる。従来は加盟国がこのような「青手紙」とも呼ばれる勧告状を多数決で決議する必要があり、春のドイツとポルトガルの赤字警告の場合は決議に至らなかった。

ユーログループと欧州議会の格上げ

ユーロ参加国の蔵相によるこれまでの非公式なユーログループは、決定権を持つ理事会へと格上げされる。同時に欧州議会は通貨政策の調整に一層関与し、欧州議会と各国議会との協力関係も強化される。

欧州委員会がユーロ圏の対外代表機関に

EUの主張に一層の重要性を持たせるべく、欧州委員会が国際的な経済・財政機構においてユーロ圏を一手に代表する。

欧州委員会が外交の中心に

現在スペインのハヴィエル・ソラーナ上級代表が務めている加盟国政府を代表する外交安全政策の職務を、段階的に欧州委員会の外交担当委員の職掌に融合させる。同委員は欧州委員長とEU各国政府が共同で決定する。各国の様々な外交政策の提案による矛盾を避けるため、同委員は外交に関わる提案を一手に行う権限を持つ。同委員は危機管理における指導的な役割を担う。共同のEU提案には一定数のEU加盟国の支持が必要とされる。若干の防衛政策問題を除けば、外交政策においては基本的に多数決が適用される。

欧州議会の予算権限の強化

欧州議会の予算権を強化するため、EUは独自の収入を持つものとする。この欧州委員会の提案には、中立的な徴収によるEU税という既知の計画が念頭にある。

原題:Reformvorschlaege der EU-Kommission




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